千葉県にある「成田ゆめ牧場」で行われる毎年恒例の熱き戦い、それが「全国穴掘り大会」である!
ホクエイ電設のメンバーがこの大会に初参加したのは、2005年(第5回大会)のこと。
これ以降も毎年出場し、ほとんどの大会で3人~4人という少人数で参加しているが、
3回の優勝、準優勝、3位入賞2回など、毎年のように上位に食い込んできた。
我々以外も、多くの人数を揃えられないチームも多いことだろう。もしかしたら、最初から諦めて参加しないチームもあるかも知れない。しかし、穴掘りは戦略次第では少人数でも十分に戦える競技だ。少人数でも参加してみたいというチームのためにも、ここでは、全国穴掘り大会に勝つための秘訣と、参戦の記録をご紹介したい。我々のライバルとして、一緒に優勝を目指して戦ってみようではないか!
<全国穴掘り大会の過去記録一覧>
全国穴掘り大会とは!
と、その前に、全国穴掘り大会について簡単に説明しようと思う。
最大6人が1チームとなり、決められた制限時間で掘った穴の深さを競うという実にシンプルな競技、それが全国穴掘り大会だ。
我々が初参加した2005年頃はまだまだ知名度も低く、知る人ぞ知るマイナーな大会だった「全国穴掘り大会」。最近では海外メディアも収録に訪れたり、テレビ番組などで取り上げられる機会も増え、割と知名度も上がっており、過去最多では342チーム(2020年は290チーム・1,600人以上)が参加したこともあるほど大きな大会となった。しかも大会の参加者以上に増えるのが、その家族やギャラリー。驚くほどの人が大勢集まるので、「年間を通して入場者が一番増えるのがこの日なのでは?」と思えるほど膨大な人数となる。人混み恐怖症の人は逃げ出すかもしれない(笑)
余談だが、穴掘り大会(別名:穴堀リンピック)に参加する競技者は、通称「穴掘リスト」とか呼ばれたりする(らしい)・・・。
穴掘り大会の開催日
通常、毎年の穴掘り大会は、その年の2月の第一週の日曜日に開催される。雨天などの場合は前日(土曜日)の16時までにゆめ牧場HPにて案内があるとのこと。当日の飛び込み参加はできないので事前に申し込みが必要だ。申し込みはその年によって変化するので、公式HPをチェックするか、直接電話して確認しよう。 申し込みは定員に達し次第終了となるので早めに。
例年だと、12月初旬頃(年によって変わる)に、まずは電話(0476-96-1001)して住所などを伝え、郵送で届いた申込書に各種項目を記入のうえ、1月中旬頃(これも年によって変わる)までに返送することでエントリーが完了する。締め切りまでにゆめ牧場へ到着していないとエントリー完了とはならないので注意が必要だ。
全国穴掘り大会参加に必要なもの
参加申込書
穴掘り大会には当日の飛び入り参加などはできないので注意が必要である。事前に必要書類を入手し記入の上、ゆめ牧場に決められた期日までに返送することでエントリーできるのだ。
そのため、大会に出場するにあたってまず必要となるのが、手続きを済ませた証明となる「参加申込書」となる。念のため、参加申込書はコピーを取り、スマホにも写真を残しておくことを強くお勧めする。
参加するための費用
1チームあたりの参加費がかかるので、忘れずに用意すること。参加費は参加する部門によって異なる。
・一般部門(ほとんどのチームがこれ)は1チームあたり 7,000円
・レディース部門は1チームあたり 6,000円
・ちびっこ部門(小学生以下) 5,000円
となる。ちなみに前回2023年度の参加費は一般部門が5,000円、レディース部門が3,000円、ちびっこ部門が3,000、駐車場代も700円だったことを考えるとかなりの値上げと感じるが、燃料費や餌代の高騰などで牧場も大変みたいだから致し方ないのかも知れない。
また、台数分の駐車場代も必要となる。2024年度は1台に付き1,000円だったので、前もって準備しておこう。
全国穴掘り大会で使う道具
穴掘り大会では、使うことのできる道具と使えない道具が明確に定義づけられている。使ってはいけない道具を使うと失格になってしまうこともある。ここでは、使える道具と使えない道具について見てみよう。
穴掘り大会で使える道具は4種類だけ!
穴掘り大会で使える道具については、運営元のゆめ牧場にて厳密に決められていて、実際に使える道具は以下の4種類のみ。
- スコップ
- バケツ
- はしご
- ロープ
なお、スコップはかなり厳密に寸法が定められていて、
- 市販されている全長1m未満であること
- 頭部(縦)の長さ30㎝未満であること
- 肩幅(横幅)の長さ15cm以上であること(2023年度は16㎝以上だった)
上記3つの要件をすべて満たしたものである必要がある。
なお例外として、全長65㎝未満のスコップは上記の基準を満たしていなくてもOKとなる。
詳細は以下の画像にて(参考:2024年穴掘り大会で使用可能な器具)
使用禁止の道具
穴掘り大会で使えない道具とは、上記の要件を満たしていないものすべてとなるが、毎年のように注意事項として説明されるので記載しておきたい。
- バックホウなどの重機(開会式でこの説明があると毎回笑い声が上がるw)
- 電動機器
- ハサミ型スコップ
- 変形スコップ
- 熊手(過去大会では使う人もいたよなあ・・・)
- ジョレン
- クワ(むしろ、これに負けたら全力で土下座しますわw)
- 泥落としヘラ等(これも過去の大会ではよく見かけたもの)
- 市販のスコップを改造・加工したもの
なお、スコップについては大会前の用具チェックで審査があり、チェックを通過したものしか使うことができないので注意が必要。大会スタッフによる審査が通過したスコップについてはシールが貼られる。そのため、毎回持って行くスコップはシールだらけとなり歴戦の雰囲気になる。参戦することに意義があるのだ(笑)
穴掘り大会で着用が義務付けられているもの
穴掘り大会では、上記以外にも着用が義務付けられたものが存在する。それが以下のものだ。
- ヘルメット
ヘルメットは、2020年(第20回)大会までは「穴の中に入る人のみ着用」となっていた(うろ覚え)が、3年ぶりとなる2023年度から「チーム全員のヘルメット着用必須」となったようだ。
あったほうが良いもの
ここでは、過去17回にわたり全国穴掘り大会に出場を続けてきた経験から、義務付けられてはいないが「できれば持って行ったほうが良いもの」について説明しよう!
- 手袋
当たり前だと思うが、けがを防ぐために欠かせないものが軍手などの手袋だ。一人では大丈夫だと思っても、掘る人数が増えるとアクシデントが起こる頻度が一気に増えるのだ。爪が剥がれる危険性もあるので、手袋は絶対に装備しよう。
- 安全靴
スニーカーで代用して掘る人もいるけど、やはり危ない。スコップで突かれるとかなり痛いし、ほとんどの場合は翌日以降の仕事にも差し支えるほど。それと、本気の穴掘りでは靴の中に土が入りまくる! なので、安全靴が用意できない場合は、できるだけハイカットで厚手の靴を履くようにしよう。また、厚手の靴下を履くのもケガや靴擦れ防止にお勧めだ。
- 一輪車または運搬台車
大量のスコップやバケツ類を運ぶために必要。会場までの徒歩は結構距離がある。会場までの通路は広くないため、積載量の割りに小さくて通行の邪魔にならない深型の一輪車が良いだろう。
- スケール
掘った穴の深さを測るために使う。正式な深さは大会スタッフの方が測るのだが、その前に大体の深さを知りたい場合に重宝する。
- 時計
大会の時間を計るために使用。ペース配分などを監修するのに必須だ。
- 着替えと大きめの袋
当然だが、大会では着ている服が泥だらけとなるので、着替えが必須。また、泥だらけの服を入れておくための大きめの袋があったほうが良い。想像以上に汚れるのが穴掘り大会だ。また、会場は遮るものがなく物凄く寒いので、ベンチウォーマーなどの防寒具もあったほうが良い。
穴掘り大会のルール(動画)
穴掘り大会のルールをまとめた動画か公式から出ているので、参加する前に観ておこう!
全国穴掘り大会で勝つためには?
過去3回の優勝経験があるホクエイ電設メンバーが、勝つために必要な秘密をこっそり暴露するぞ!
その1、戦いは数だぜ! とにかく人数を集めろ!
勝つために重要なことと言えば、人数に勝るものはあまりない。我々はほとんど毎回、3~4人で1チームだけ出場しているが、6人のほうが有利なのは誰がどう考えても間違いない。
人数が多いことで有利な点は他にもあって、良い場所に当たる確率が増えるという点も有利だ。後述するが、この大会では良い場所に当たることが勝つためにものすごく重要となる。人数が多ければ、参加費はかかるけどその分参加チーム数を増やせるから、良い場所に当たる確率も増える。というか下手な話、大企業が600人集めて100チーム出場すれば、今年も優勝はその企業で10連覇達成!なんてことも普通になっちゃうよね、って話。
とにかく、参加人数を増やすことが勝利への近道だ!
その2、チームワークと役割分担を決めろ!
人数を集められない場合は、チームワークで勝負しろ!
チームワークもすごく重要。これ、本当。息が合わないと、手と手がぶつかったり、1人しか入れない穴の中に2人同時に入っちゃったり、掘った土を穴の中にこぼしちゃったり、はしごがなかなか降りてこなかったり、反対側のバケツが降りちゃったりして、全然作業にならないのだ。なので、普段から息の合った連中でチームを組むのが一般的にはお勧めだ。
それと、役割分担も大切。人間には瞬発力があるパワータイプの人や持久力に優れている持久力タイプの人、その中間のバランスタイプの人などが存在する。また、体の大きい人もいれば小さい人もいるし、上半身の強い人、下半身の強い人、本番だけに強い人、ムードメーカーとなり全員の士気を上げる人、など実に様々な奴らがいる。勝つためには、個々の能力を考えた役割分担が必須なのだ。
具体的にいうと、瞬発力がある人は掘り始めの地際付近において人より早く掘ることができるし、人員交代によるタイムロスの観点から、穴が深くなってきた後半戦では頻繁に交代できないので持久力のある人が向いている。
狭い穴の中では大きな人は入れないし、上半身の力は限定的になるので下半身の強い人が挑むべきだ。地上からバケツを上げ下げするのは、体が大きくて上半身の力が強い人のほうが、もちろん得意だろう。
バランスタイプの人は、一時的な交代要員として威力を発揮するほか、穴の近くで山になった土を離れた位置へ移動する作業や、ヘトヘトになりながらもスコップの泥を落とす作業も向いているだろう。
我々が考える「さいきょうのメンバー構成」は、パワータイプ3人、持久力タイプ2人、バランスタイプ1人、だ。しかし悲しいかな、現状はというと前からそれぞれ、1人、2人、1人、だ(涙)
また、穴の中は周りが見えないので、それぞれが無駄なく動けるよう、次に誰が何をするかを決める司令塔も非常に重要だ!
その3、ペース配分を計算しろ!
穴掘りにはペース配分というものがある。限界を超えた力で戦う穴掘り大会において、全力で動ける時間はそう長くない。長時間持続可能な最大出力で走り続けるマラソンに対し、穴掘りは短距離走である。人体から最大の火力を出すためには、息を止めた無酸素状態で一気に動く必要があるのだが、あらかじめ筋肉内に酸素を多めに取り込んでおいたとしても、一般人として全力で動ける時間は長くても30秒かそこらがせいぜいだ。そう考えると、ボクサーとかってスゴイよね、うん(笑)
まあそんなわけで、効率よく穴を掘るためにはメンバーごとに交代しながら掘ることになるのだが、時間を計って掘らないとペースが乱れることになり、これもスピードダウンにつながる。なお、場所ごとに違う土質に応じて、掘り方とペース配分、掘る人数や体力を温存する人数などを変える必要もある。
それと、穴掘りにも各パートごとの作業というものがある。計測用の深穴を掘る作業と、深穴を掘るための足場を作る作業などがそれだ。計測用の穴を深く掘るだけでは、手が届かなくなったらそれ以上掘ることができなくなる。かといって、掘るための足場づくりに手間取っては計測用の穴を深く掘ることができない。
そのため、競技終了の何分前まで足場を作るのか、そこから何秒で計測用の穴を掘り下げるのか、など秒単位でペースを計算しておく必要があるのだ。なので、ここでも時間を計って教えてくれるメンバーがとても重要となる!
その4、大きすぎる穴を掘るな!
過去の大会で筋骨隆々としたレスラーのチームが参戦したことがあった。鍛え上げられた肉体を誇るレスラーは、驚くほどの力もあり持久力も我々以上だ。しかしその分体が大きいので、穴の中に巨体を入れ、そこからさらに掘り下げる作業には不向きと言わざるを得ない。掘る土の総量がものすごく多くなってしまうからである。
土の量は審査の対象とならない穴掘り大会という競技の性質上、横に広い穴を掘るのではなく、狭くて深い穴を掘るべきである。しかし、狭すぎる穴は中で身動きが取れず逆にスピードダウンする。過去、優勝してきた穴たちには、深さと大きさの絶妙なバランスというものが存在する。必要最小限の土しか出さないで如何に早く深く掘るか、というところがこの競技の肝である。これは我々も長年の参加経験で数々の失敗の中から得た教訓だった。穴の中で機敏に動ける範囲内で、なおかつギリギリまで狭めた深い穴を掘ることが勝利への道なのだ!
その5、道具に妥協するな!
厳しいレギュレーションが存在するスコップは、当然ながら規格を満たしたものでなくてはならない。しかし、スコップ以外は特に厳しい指定はないので、出来る限り有利なものを用意するのが望ましい。ここでは一例を挙げてみたい。
細くて長いはしごを用意せよ!
市販のはしごは大きいため、狭い穴のなかでは邪魔になり、どかすのにタイムロスが生じる。また大きい分、周りの土を崩しやすい。桟木などで手作りした細めのはしごを用意するのもお勧めの手だ。
太いロープも用意すること!
土の入ったバケツは案外重くなるもの。細いロープでは力が十分に入らず、バケツの上げ下げに余計な時間がかかってしまう。かといって、太すぎるロープは重くなり、柔軟性が失われるので逆に遅くなる。なので、細すぎず太すぎず、軽くて柔らかい、バランスの良い太さのロープを用意しよう。
大きすぎるバケツは使うな!
大きすぎるバケツは狭い穴の中では邪魔になり、かえってタイムロスにつながる。大きいバケツは上げ下げの頻度が少なくて済むため、一見すると有利なように思える。しかし、狭い穴の中では高さがあるバケツに土を入れることすら難しい。バケツの縁の高さが5㎝違うと能率が全く違うのだ。しかも、一杯になったバケツを上げるのにもかなりの時間を要する。大きすぎず小さすぎない、丈夫で軽い素材のバケツを用意したほうが賢明だ。
底の硬い安全靴を履け!
穴掘りは手で行うものではなく、足で行うもの。体重を上手く使うこと。それが疲れずに効率よく掘る秘訣だ。また、全体重を効率よくスコップに伝えるためには、底の硬い安全靴が非常に向いている。具体的に言うと、底が硬くて足にフィットするミドリ安全の安全靴が特にお勧めだ。
安い軍手は使うな!
安い軍手は滑り止めが付いていないので、土を掻き出す作業の時に余計な握力が必要となるため疲れやすい。滑り止めが付いている手袋は、握力をあまり必要とせずに掘ることができる。お勧めは、革手にゴムの滑り止めが付いているタイプ。滑らず防護性も高いので、けがを防ぐ効果も高い。
多めのスコップを持って行け!
この大会、スコップの本数に制限はない。穴を掘る場所によっては、スコップにへばりつく粘土が大量に出たりして、泥を落とすだけで大きなタイムロスにつながる。粘土や泥がくっ付いたスコップは掘削能率が半分以下に下がるので、常に泥を落とす必要があるのだ。また、泥落とし用のスコップが余分にあると便利だ。泥を落とす時間を少しでも減らすため、最低でも参加人数の倍くらいのスコップを用意しておこう。
プロ向けのスコップを使え!
これはもう金象印のスコップ一択だ。最近では安価なスコップがホームセンターなどで手に入るが、使ってみるとものすごく使いにくい! 材質的に強度が足りないのはもちろんなのだが、安いスコップは妙に重かったり軽かったりする。スコップは重いと疲れるが、軽すぎても手首に負担がかかり腱鞘炎になったりするので避けるべきだ。それに、そういったスコップは角度が全然違う。まあ、それはそれで場所によっては役に立つのだが、メインのスコップはやはり金象印にするべきだ。浅香工業の金象印スコップは日本で一番売れているだけあって、抜群の硬度と強度、絶妙な重量と角度でプロ向けに開発されている、スコップ界の聖剣なのだ。
その6、くじ運を舐めるな!
勝つために必要なもののうち、最も重要な要素、それは「運」だッ!
ここまで書いておいて結局 運かよ!とか怒らないでいただきたい(笑)
穴掘り大会での勝率を左右する一番大きな要因が運なのは、冗談でも不真面目でもなく、本当のホント、真実。
なぜなら、「掘る場所はくじ引きで決まるから」だ!
穴掘り会場はだだっ広いので全部同じように見えるが、実は掘る場所によって土質や硬さが全く違うのだ。
そのため、良い場所に当たるかどうか、くじ引きの結果ですべてが決まると言っても過言ではないほど、運が重要視される。1年間にわたり食事制限と筋トレ、走り込みを続けこの日に備えてきたのにも関わらず、くじ引きだけですべてが無駄になってしまうところが、この競技の最も怖いところでもある!
抽選で決まるエリアの詳細
大会のメイン会場となる場所は、縦が250m×横120mという広大な敷地だ。この中からくじ引きによって掘る場所が割り当てられるのだが、決定する大枠のエリア配分では、地形によって掘りやすさに大きな違いが出る。ここでは、地形による違いを見てみよう。
- 坂下側の「山砂エリア」→ ①
- 中間から上部にまたがる「粘土エリア」→ ②
- 木が生えている小さい丘周辺の「地山エリア」(別名:魔のエリア)→ ③
- 割と最近追加された新しいエリア → ④
穴掘り会場の区分はその土質によって、おおまかに上記4つに区分することができる。
穴掘り大会の会場は緩やかな坂道になっているが、基本的に坂の下のほうが山砂となっており、柔らかく掘りやすい(山砂エリア)写真では①。狙うべきエリアはここ。過去優勝したチームの多くが、このエリアから輩出されている。反対に、坂の上のほうは粘土の割合が多く、硬いうえ粘土がへばり付いて非常に掘りづらい(粘土エリア)写真では②。毎年出ているから分かるのだが、同じ深さを掘るのに倍以上の労力が必要となるのは間違いない。
特に、絶対に避けたい場所が開会式を行う広場直下の、木が生えている丘周辺(地山エリア)写真では③だ。この辺りは非常に硬い粘土と地山で構成されている。頑張れば2.5mくらいまでは掘れるのだが、そこから下がとんでもなく硬い。地盤改良土なみに硬いここの土は、フルスイングのスコップが2㎝くらいしか刺さらないのだ。山砂エリアと比較すると、かかる労力は間違いなく10倍以上。これはバックホウなどの重機でも簡単には掘れない土質だ。毎年、多くの強豪チームが無念の涙を流し散っていった魔のエリア、それがこの地山エリアなのだ!
なお、2023年度(第21回)と2024年度(第22回)はそれまであまり掘られていないエリアでの対戦となったため、純粋に運よりも実力が大きな要素となった久しぶりの大会であったことをここに付け加えておく。
2023年度(第21回)と2024年度(第22回)大会の会場となったのは上記画像の④エリアだ。かなり前に何度か掘った場所ではあるが、①・②・③のエリアほど掘られていないため運の要素はいつもよりは少なめだ。また、④のエリアにおいても硬い場所と柔らかい場所が存在するので、運の要素がまったくないわけではない。
抽選で決まった区画(5m×5m)内における運の要素
それと、運の要素が強く出るのが、抽選で決められた区画範囲内における掘る場所の選定だ。大会会場は毎年使われるため、場所によっては、昨年深く掘られた場所に運よく当たったりする。特に、優勝候補が昨年、深くまで掘った場所にぶち当たったりすると、ほとんど労力を必要とせずに昨年そのチームが掘った深さまで到達することができるのだ。
なので、区画内で以前深く掘られた場所をできるだけ早期の段階で発見する必要がある。ここでも、過去の穴を見つけ出すのに、地際付近では3人よりも6人のほうが圧倒的に有利。3人に比べ倍の速度で探すことができるからだ。とにかく、競技開始後、昨年までに深く掘られた場所をいかに早く見つけられるかが勝敗のカギを握っている!
しかし最終的には、大枠としてのくじ引きですべてが決まってしまうことのほうが圧倒的に多いので、勝敗の9割はやはり抽選における引きの強さ、いわゆる「くじ運」だろう。
その6、汝、その穴を愛せ!
穴を愛する人々には穴掘りの女神がほほ笑むという・・・!
たった一つの穴のために、1年間にわたり食生活を改善し、酒を断ち連日走り込む。そんな、穴を深く愛する漢(オトコ)になれ!
穴を掘ることを生業としている人のなかには、掘った穴の使い道を考えてニヤニヤする者や、穴に名前を与えて可愛がる者が後を絶たない。掘った穴に自ら落ちてしまう者、穴の中で穴の気持ちになって考えたり、この穴には顔があると言い張る強者も。過去にはスーツ姿に革靴で穴掘りしたのもいたっけ・・・。
くじ運で良い場所に当たらなかったとしても、そこは時の運。全力で掘らないとその穴に対して失礼というものである。例え志半ばにして敗れたとしても、その穴を愛せ! というわけで、いつ如何なる時も全力で穴に向き合うべし! この姿勢こそが、穴掘り大会で勝つために一番必要なものだ!
穴掘り大会における失格事項
厳しいレギュレーションが定められている穴掘り大会では、もちろんのこと、失格処分というものがある。ここでは、競技を続けるうえで絶対にしてはならない、「失格事項」を見てみよう。
- 区画の変更やメンバーの入れ替えを行った場合
- スタート合図前に穴を掘り始めるフライング行為
- スタート合図前に地面に印をつけるマーキング行為
- チェックを受けていないスコップ並びに規定外の器具を使用して穴を掘る行為
- 競技中にヘルメットを装着していない(2023年からは穴に入らない競技者も全員着用となった)
- 競技中にフェイスシールド・マスク未装着の場合 ※体調不良時を除く
上記は、いかなる理由があろうとも失格処分となるので注意が必要だ。
上記のうち分かりづらい事項の一つに「区画の変更やメンバーの入れ替えの禁止」というものがある。これの何が問題になるのか説明すると、過去には同一の会社で複数エントリーして異なる複数の場所を確保、その中から良い場所に主力メンバーを送り込む、といったことがごく一部の企業で行われていたことがある。複数エントリーのうち、記録が0cmのチームとかあるのはそういうこと。捨てエントリーによる、捨てられた場所なのだ(人数が集まらずにやむなく辞退する場合を除く)。これは他のチームや、掘った穴に対する冒涜というものだ。こういった不正を見逃すと、年々参加者が離れ大会自体の存続すら危ぶまれることになる。そのためか、区画の変更とメンバーの入れ替え、現在は禁止されるようになったのだ。
それ以外にも、審判からの警告に従わない場合は50㎝の深さを差し引かれるため、常識的に危険な行為など、ルール違反にも気を付けるべきである。
中止となった2022年や、実施される2024年の規約にはなかった項目として、毎年恒例だった規約や、他の競技チームから聞いた困った行為などを以下に記載した。今年の規約にはなかったものの、一般的なルール・マナーとして、こちらも十分に注意したい。
- 他の区域にはみ出して穴を掘ったり、他の区域に掘った土や道具類を置く越境行為
- 競技中に他の区画に入り込む、または子供やペットを送り込む妨害行為
- 競技後、計測前に他の穴を崩す妨害行為
穴掘り大会までの流れ
- 参加申込書の取り寄せ
- 穴掘り大会に参加するために、まずは「参加申込書」を取り寄せる必要がある。年度により異なるが、最近ではゆめ牧場に電話でエントリーの旨を伝えることで、後日、郵送にて送られてくることが多い。送られてくる期間と、返送して送る期間が必要なので、余裕を持ったエントリーを心掛けよう。なお、この電話だけではエントリーしたことにならない点に注意が必要だ。
参考までに、2024年の電話申し込みは1月14日(日)16:30までだった。
エントリー用紙の記入・返送 返送期限は 2024年の場合は1月18日(木) までとなっていた。返送期限は毎年変わるので、エントリー用紙記入後は速やかにFAXか郵送で返送しよう。
実際に穴掘り大会に申し込んだゆめ牧場の電話番号は以下のとおり。「穴掘り大会にエントリーしたい」と言えばよい。ここでは、参加申込書郵送のために必要な、代表者の名前と住所、郵便番号と電話番号、穴掘り大会をどこで知ったのか、今年で出場何回目か?、などの簡単なアンケートを答えることになるので、あらかじめメモ用紙に書いておき、見ながら素早く答えられるように準備してから電話しよう。
0476-96-1001
受付時間:10:00~16:00
- 参加申込書の返送
- 指定の期日までにゆめ牧場へ返送し、受理されて正式に大会エントリー完了となる。通常、毎年12月10日頃には返送期限が設定されているが、2024年は1月18日(木)が返送期限だった。返送期限までにゆめ牧場に届いていない場合、自動的にキャンセル扱いになってしまうので気を付けよう。
参加申込書の返送は、郵送もしくはFAXで可能だ。郵送はそれなりの日数がかかるので、急ぎの場合は運営に電話で要件を伝え、コンビニからFAXを使うのも良いかもしれない。我々は毎年、自社のFAXからエントリーしている。
郵送先の住所は以下のとおり。
・〒289-0111 千葉県成田市名木730-3
成田ゆめ牧場「穴掘り大会」運営事務局 行き
TEL:0476-96-1001
なお、FAXにて返送する場合は、以下の宛先へ送信する。
FAX:0476-96-1055
- 道具類の準備・体調管理
- 2025年の穴掘り大会は2月2日(日)に開催される(予定)
当日になって慌てないよう、しっかりと準備を整えて臨もう。
・スコップなどの道具を準備し、まとめておく。
・食事制限を行い筋トレや走り込みをしてコンディションを整えておく。
・今年も特に感染対策に気を付ける。風邪でも熱が上がれば出場できないので注意する。
・あらかじめ、ゆめ牧場の場所とお勧めのスポットやお土産、食べ物などを調べておく。
- 大会当日 ゆめ牧場までの準備
- ここまで来て、ようやく大会本番だ。
ゆめ牧場の場所は以下となる。このあたりは気温が低いので、路面の凍結などに十分に注意して向かおう。