どうも。ベトナムのコーヒー豆をもらったけど挽く機械がなくて未だに飲めていない、へなちょこでございます!
北アルプスの女王こと、燕岳。 そこに向かう道路にかかる黒川橋が令和8年8月8日の豪雨で流されてしまい、宮城ゲート~中房温泉経由での燕岳登山が一時不可能となりました。 しかし、他のルートを通れば燕岳に登ることは可能! というわけで、どうしても燕岳に登りたい人のために、数年前に書いた記事を加筆修正してお届けします!
元々、穴掘り大会のトレーニングで始めた登山でしたが、コロナ騒動でなかなか行けない羽目に(泣) そんな中、コロナによる感染者数が落ち着いてきた2021年11月5日、緊急事態宣言が解除されてから1カ月ほど経ったので、ここぞとばかりに予約した燕山荘(えんざんそう)。 なぜ燕山荘に向かったのか? それは、燕山荘が2021年に100周年を迎える、とてもめでたい年だから!
世界中を見渡しても100年続く山小屋なんてほとんどない。 山小屋が長く続くためには一過性のブームだけではダメで、山岳信仰などの土台が古くから整っている必要があるんですね。 まあそれは言い訳で(カッコイイことを言いたかっただけ)、とにかく100周年記念となる今年はどうしても泊まりたかったんですよ!
そんなわけで、今回は餓鬼岳~燕岳縦走をしてきたときの記録を書いておきます。

今回は2泊3日(2021年11月5日~2021年11月7日)の縦走ですが、餓鬼岳小屋はシーズンオフで閉まっているため、最低1泊はテント泊を余儀なくされる・・・。 よって、今回もテント泊装備一式を担いでの山行となります。



今回行くのは北アルプスの餓鬼岳と燕岳。目指す燕岳は2,763m、餓鬼岳は2,647mと、どちらも標高3,000m近い山。 11月ということもあり、夜間の気温は-10℃ほどを覚悟しなくてはならない。 ということで、-15℃前後を想定した、NANGA オーロラライト 750 DX をはじめ、軽量化を優先した冬山装備で臨むことにします。 なにせへなちょこなので、荷物はギリギリまでコンパクト化 & 軽量化したいところ。
正直、35ℓのザックに12本爪のアイゼンや予備の軽アイゼン、ピッケルなどを含む11月の北アルプス縦走テント泊装備を詰め込むのは骨の折れる作業でした(笑)



仕事が終わりすぐに高速で長野県を目指します! 松本ICまでは軽4駆なので5時間ほどかかるが、最終的に狭い山道を通るし、冬の山道は凍っているので軽4駆が超安心。 ただし、ローギアードなので燃費は良くないのが難点。



白沢登山口に到着したのは、深夜0時30分のこと。 当然ながらあたりは真っ暗なので、すぐに就寝の準備をすることに。 白沢登山口の標高はおよそ1,000m。 車中泊でもしっかりとした防寒対策が必要な標高となります。
100Ahのサブバッテリーに電気毛布をつないで、さらにamazonで買った格安のシュラフに滑り込みます。 このシュラフ、ダウン量1,200g、総重量1.7kgもあるうえ、ダウンのくせにかなりデカい。 車中泊用として割り切って試しに買ってみたんだけど、商品説明にあるように-20℃は絶対に無理!な感じ。 ナンガの350DXを毎日使っているのだけど、それと比べてもこの格安シュラフはコールドスポットが異様に多い。 なので、実際は3℃くらいが限度なような気がします。 としても、その他の装備でカバーできる車内泊には十分。なにより、格安だし(笑)



11月に入ると餓鬼岳小屋は営業を終了するため、白沢登山口から登る登山者はほとんどおらずひっそりとしている。 いたとしても日帰りの場合がほとんど。今回の山行で白沢登山道で出会ったのは日帰りで軽装の登山者わずか1人だけ。 そのため、けがや遭難などには細心の注意を払う必要がある、って、これはどんな山でも同じか!



登り始めて気づいたのが、紅葉が素晴らしいこと! あと、前にも後ろにも人が全くいない! 少し心細さを覚えつつも進んでいきます。



白沢登山口から餓鬼岳山頂までの標高差はおよそ1,600m。 これはテント泊装備20kgを担いだ場合の、1日に踏破できるギリギリのラインとなります(へなちょこの場合)。



1時間も歩かないうちに休憩。もう家に帰りたい・・・(笑)



白沢を幾度となく渡り返しつつ歩を進めると、段々と傾斜がきつくなってきた。 と同時に、突然ハシゴなどのアスレチック要素が多くなる!
しかし、シーズンオフなのか、他のブログなどで見た長いハシゴなどは取り外されているっぽい。 その分、渡渉には時間がかかります。



足を乗せた途端に壊れそうなハシゴの連続。これはどこかで感じたことのある恐怖・・・。 そ、そうだ。花やしきの木製ジェットコースター(最高時速たったの42km)に乗ったときの恐怖感に似ているぞ・・・!



天気が悪かったらスゴく滑るであろう場所の連続。 これが後日、東沢乗越から東沢登山道経由で中房温泉にエスケープするのを断念したきっかけになるとは思わなかった。 この白沢ルートも、登るのは良いけど暗い中で下るのはリスクが高いと思う。



紅葉の滝まで1時間30分ほど歩いたが、まだまだ先は長いなあ。 そろそろ朝食にしたいところ。 残念ながら、座る場所がないのでそのまま進むことに。











縦走路で積雪がある想定なので冬靴で来たのだが、苔で滑る沢とか岩場には足首の角度が変わらないハイカットの冬靴はあまりにも不向き。 岩場にフィットしないので、もの凄く歩きづらい!
2時間ほどかかって、ようやく魚止めの滝に到着。 しかし、バリエーションに富んでいてこれは良いルートだ(笑)









冬季ということでハシゴが外されていたり、橋が流されていたりして渡渉と迂回を余儀なくされる場面が結構ありました。 一つ一つはほんの数分だけど、積み重なると結構な時間ロスになります。 わずか数分足りないことで暗くなり滑落したり、それを防ぐためにビバークして行動が翌日になってしまうことも意外と多いです。 登山において、ほんの数分といえど、時間は水と同じくらい貴重。
山小屋が閉まっている期間は、「宿泊装備が省けない」とか、「水が買えない」などと考えがち。 しかし、それ以上に登山道が険しくなってしまうことを、今回の山行で身をもって実感しました。 普段から登山道を整備してくれている餓鬼岳小屋の人たちに、あらためて感謝!











大凪山(おおなぎやま)山頂を過ぎると、いよいよ餓鬼岳本体へ取り付きます。




















ついに餓鬼岳小屋へ到着! 白沢登山口から休憩含め、およそ10時間かかった計算になる。 やっぱり、テント泊縦走装備だと1日の標高差1,600mが限界ぽい。







餓鬼岳山頂までは5分ほどなのだが、雲が多く展望が望めないことと、既に16時を回っていることもあり、急いで野営の準備に取り掛かることにした。 山では日が暮れだすと暗くなるのが本当に早いですね。



餓鬼岳小屋のテント場をお借りして幕営開始。 テントはNEMOのホーネット ストーム1Pという、1人用のもので重さは760g。 専用のフットプリントと合わせても900gほどと軽量。 しかし、冬用ではないため、フライシートに通気性はない。 積雪量によっては窒息などに十分注意する必要があります。
テントの中と外における気温差は実測で3℃ほど。 冬用だろうが4シーズン用だろうが、基本的にテントに防寒性能はなく風と雨がしのげる程度と考えています。 なので、就寝時の防寒対策はシュラフやマット、防寒着が担うことになるため、超着ぶくれ状態でシュラフの中に潜り込みます。













今回のテント泊では気温が-7℃くらいまで下がったが、寒いどころか暑すぎるくらいでした。寝るのに使ったものは以下のとおり
- テントはNEMOの [ホーネット ストーム1P]
- シュラフはナンガの [オーロラライト750 DX]
- クローズドセルマットにはサーマレストの [Zライトソル] を切ったもの(長さが足りない分は寝袋ごとザックに足を突っ込んで寝るいつものパターン)
- エアマットにはサーマレストの [ネオエアーXサーモ]
上半身には以下のものを着用(外側から順に)
- 防寒服はワークマンの安い化繊のもの(撥水加工されている)
- インナーダウンにユニクロのものを使用
- モンベルの [トレールアクションジャケット] (フリースのミドルレイヤー)
- インナーにモンベルの [スーパーメリノウール L.W. ラウンドネックシャツ]
- ファイントラックの [ドライレイヤーベーシックロングスリーブ]
下半身には以下のものを着用(外側から順に)
- ナンガの [ダウンパンツ]
- モンベルの [O.D.パンツ ライト Men’s]
- モンベルの [スーパーメリノウール EXP. タイツ Men’s]
- ファイントラックの [ドライレイヤーベーシックタイツ]
今回使った中で防寒対策に特に大きな効果を発揮したのが、ナンガの寝袋 [オーロラライト 750 DX] と、サーマレストの [ネオエアーXサーモ] でした。 それと、ワークマンの安い防寒ジャンパーが意外と良かった。化繊だからかなりかさばるけど、寝る時に背中側がつぶれないのはダウンにはない特徴です(笑)
この他にも、ハードシェル上下を持って行ったのだが、それを着込むほどではありませんでした。







餓鬼岳から燕岳へ向かう稜線沿いには剣ズリと呼ばれる場所があり、険しいため北側を下りながら巻いて通る必要があります。 燕岳までの縦走路は切り立った花こう岩からなる岩場が連続しているのですが、これは常念岳から燕岳を経て餓鬼岳までは同じ地質の花こう岩地質でできているためだそう。 なので、燕岳周辺の切り立った岩と餓鬼岳周辺の地質、および剣ズリが似ているのも当然といえます。
ちなみに、常念岳~燕岳~餓鬼岳へ続くこのあたりは、約8000-6500万年前(中生代、白亜紀の後期)に地中5km~10kmの地盤がせり上がってできた、とのこと。 縦走の間ずっと連続する岩場は、どれも美しい景観です!

餓鬼岳山頂からは、燕岳・大天井岳をはじめとして槍ヶ岳へと続く表銀座の稜線や、烏帽子岳・野口五郎岳・鷲羽岳・双六岳を縦走し槍ヶ岳へ抜ける裏銀座の山々がぐるっと見渡せます。 それだけでなく、遠くには立山から剱岳まで視界に入るのは、さすがは日本200名山といったところ! これだけの絶景ポイントがほとんど独り占めできる餓鬼岳、なぜ人気がないのか不思議・・・。
餓鬼岳小屋 TEL 0261-22-2220
餓鬼岳小屋の開設期間について、 2026年は7月1日~10月中旬の予定で収容人数は70名。 他の多くの山小屋と同様に、電話で状況を確認し予約状況を確認のうえ、あらかじめ予約してから向かいましょう。
1923年に狩猟小屋として作られた餓鬼岳小屋は、2021年に100周年を迎えた燕山荘とはわずか2年ほどしか変わらない長い歴史を持つそう。 そのため、餓鬼岳小屋は2023年に100周年を迎えたとのこと!
今回は、餓鬼岳~燕岳・2泊3日縦走のうち、その1として、白沢登山口~餓鬼岳山頂までを掲載しました。
次回は、餓鬼岳山頂~燕岳までの縦走ルートを掲載する予定です!